ウイルスバスターは何かを見直したほうがいいんじゃないか?(トラブル遭遇から3分後の感想)

今、お客様先の現場。仕事中ですがお客様の許可を得てブログを書いております。

さきほどお客様先に電話で「作成していただいたホームページが不正だと言われてるんですが。。。」という電話がかかってきた。スタッフ一同事態がわからずちょっと混乱。「ハッキングか!?」「SEO対策が何かまずかったんじゃ。。?」SEO担当「何もやってませんよ!」10名程度の小さな事務所で一同手を止めて即一斉検証である。

数分後、電話主からメールが届く。添付された画像を見るとウイルスバスタークラウドで検索した結果と推測できた。とりあえずメールを社内共有。他の手がかりを探すのと同時に当該サイトの検証続行。HTMLに何か仕掛けられたんじゃないか?メールの発行元は?フィッシングサイトの可能性は?制作会社だけに技術的観点からの検証が続く。

ボク的には何か違う感覚がしていた。なんかこの件、検証すべき方向が違うなと。長年の勘というかそんな感じで理屈じゃないけど。で、勘でググってみる「ウイルスバスター + 不正なサイト + SEO対策」。いっぱい出てきた中で、下記のリンクを見つけた。たぶんこれだ。

ウイルスバスターに「危険なWebサイト」扱いされたときのウイルスバスターに「危険なWebサイト」扱いされたときの対処法 | アフィリエイトで稼ぐ!アクセスアップSEO術

まず、上記サイトに感謝。そんなことがあるんですね。知らなかった。
ウイルスバスターは全くセキュリティセーフなWebサイトを「危険なWebサイト」として検出しブロックすることがあるのだと。上記サイトにはそうなったときの対処方法まで書かれています。ほんと助かります。

で、この件も上記サイトを参考に対処を行い、且つ電話をいただいた先様にも説明を行い事なきを得ました。めでたしめでたし。

 

。。。ってめでたしじゃねー!!!ふざけてんのかウイルスバスター。というのが事態が収束して3分後の現在ボクの感想であります。

結局今回の原因はわからずじまい。上記のありがたい対策サイトに書かれていた内容から推測すると、ウイルスバスターは対象サイトのアクセス履歴などをみて不正なサイトもしくは不正に利用されているサイトからのアクセスが多いサイトも危険なサイトとみなしてブロックしているのかもしれない。

もしそういう実装だとして、それって判断がおかしい。上記サイトにも書かれているようにそのサイトはセーフであって、たまたま不正なサイトからリンクを貼られているだけかもしれない。それは完全に冤罪である。しかも極めて短絡的な根拠での冤罪。

あえて時事ネタを絡めると遠隔操作事件よりも不確実な証拠で有罪とされていると表現してもいいかもしれない。「上記対策をとれば事後回避できるからいいじゃないですか〜テヘペロ」と言うかもしれないがそれこそふざけんな!である。この30分事務所がどんなに混乱し、事情を知らないお客様に対しての不信を得たか。確実にダメージがあった。無実なのに。現在トラブル収束から約15分経過。トレンドマイクロに対する憤りは増すばかりである。

まあ、あんまり書きすぎて業務の手を止めるのもいけないので、怒りを吐露したところで手を止めますが。他にも無実でブロックされているサイトは多いはずです。みなさんも気をつけて下さい。

最後に一言。表題のとおりウイルスバスターは何かを見直したほうがいいと思う。セキュリティソフトは導入したユーザーに安心を与えるためのソフトです。導入した人を必要以上の不安に陥れる、ひいてはWeb・Web運用の信用を低下させるためのソフトではありません。それはセキュリティ対策企業の敵であるマルウェア作成者等の役目ですよね。考えていただきたい。

 

[追記 2013.2.20 17:27]
Twitterから追加情報をいただきました。以下のような事件も発生しているようです。

いじくるつくーるがウイルスバスターによりダウンロードブロックされる件 - INASOFT 管理人のふたこと

INASOFTさん可哀想。。。その一言につきます。INASOFTさんのすっきりデフラグは高機能なスキャンディスク&デフラグ自動化ツールであり、ボクもWindowsメインの時はよく使ってました。この件でINASOFTさんが被った被害は上記の比ではないですね。酷いです。だってウイルスバスターの性質を知らない人からすると、すっきりデフラグもいじくつつくーるもウイルス入ってるんじゃないの?と連想してしまうわけですよね?はいってないのに。

その誤解を払拭するために上記のようなサイトまで作ってユーザーの対処に追われる。。この時点で被害が出ています。INASOFTさんの心労と対応の努力について心よりお察しいたします。

少し冷えた頭がまた再燃しましたわ。ウイルスバスター不買運動したくなってきたわ。ウイルスバスターは日本でPCビギナーに普及しているだけにこのような事が起こった場合のWebサイトの信頼回復に多大なコストがかかることが予想されます。

ホント見なおして下さいまじで。

Web&Print Interests

街を歩いていて「デジタルプリント」という言葉が目に止まった。
普段は気にならないんだけど。

なんかこう、写真屋さんとかでよく見る感じがするんだけど、「デジタルプリント」。まあなんかキレイに写真が出るんだよね。でも最近写真印刷することなんかなくなったなあ、くらいに通り過ぎる。

しかし「デジタル」といえば「ウェブ」を連想してしまうウェブキチなので3歩あるいて「そういやウェブと印刷ってどうなんだっけ?」という疑問が頭をよぎってそればっかり考えるようになる。まあこんな感じでけっこう電車乗り過ごしたりそれまでやってた仕事忘れたりする。けっこうマジに仕事に支障が出たりもする。よくない。

まあ至らない点の反省はまたするとして、ウェブと印刷。そもそも一見して対極的な2つのパブリッシングは何かつながりがあるのか?そもそも今なんかがどうにかなってるのか?ということを調べたりしてみようと思う。あんまり詳しくないのでね。

まずGoogle Cloud Printというのがある。ウェブ経由でWebアプリから対応プリンタに印刷を投げることができるもの。対応プリンタを持っていないから使ったことないけどどんなプリンタでも当たり前に使えるようになると便利ですね。オンラインミーティングしてて、相手のオフィスのプリンタに直接資料を印刷できる。リコーのプリンタとか全機種対応してソリューション売り込んだらいいんじゃないの。とか思う。

あと、Chromeってどっかのバージョンから印刷画面もWebページなんですよね。あれってやっぱJavaScriptでプリンタ情報とかプレビューとか処理してるんだろうか?Chrome App APIにそういうのあるんだろうか?ぜんぜん知りません。

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Webサイト制作に関してはCSSの印刷関連の宣言というのがある。page-break、page-break-before、page-break-after印刷時の改ページ制御。そしてMediaQueriesの@media printですね。あとどこまで実装されているか知らないんだけど@meida print and (color) とか @media print and (monochrome)なんて宣言もあって、印刷にも関係しそうです。

CSS3で特筆できるのはPagedMediaの仕様。@pageやらpage-で書籍のようなページング、ページタイトル、ページカウントなど印刷物にある様々な機能を実現できる。けっこうゴツい仕様。ちゃんとした実装は今のところないはずだけど、最近Webkitになるよと宣言したOperaがPagedMeidaを実験的に実装したOpera Nextを公開している。こちらでまあまあバギーな実装を楽しむことができます。エンジンはまだprestoなので記念にどうぞ。あとCSS Text Level3も。text-align, line-break, word-wrapなど文字の並び制御が強化されるのでこれも印刷時に貢献しそうです。

WebFontも印刷に関係するWeb技術なんじゃないでしょうか。最近日本語フォントのクラウドサービスも登場して日本でもそろそろ実用できる感じかな。というウェブフォント。なぜかボクはWebFontの相談をされることが多くて世の中の声がなかなかいい勉強になっています。昔DTPやってて刷版の業界が少しわかるからかな?

Webページ上ではこんな感じで日本語もいい感じのWebFontですが、現状印刷するとブラウザによって違いが出るようです。個人的に検証した結果を以下に示します。

  • Chrome 23 for Windows  -> otf ttf ともに印刷される
  • Firefox 17 for Mac -> otf ttf woff ともに印刷されない
  • IE10 -> otf ttf ともに表示しない, woff (FONT+) は印刷される

Firefoxはなんか思うところでもあるんでしょうかね。。巷では「ウェブフォント使えばホームページ印刷するだけで出版物になりますよね!」と叫んでカバンつかんで営業に飛び出そうとするオッサンとかいますから、注意が必要です。この辺はまだ仕様に明記されてないところなんでしょうかね。早めに統一してもらいたいところ。

。。。とまあとりあえず知ってることを列挙してみましたが、ここでふとW3Cあたりで印刷関係の取り組みはやってんのかな?と思い至りました。で、調べてみるとありました。W3C: Printing and the Web けっこう昔から取り組んでる模様。なーんとなく、今止まってる感じがしますが。SVG PrintはともかくとしてXHTML Print? XSL-FO? 古い感じです。メンバーはけっこう日本企業が多いんですが、Macromeida? もうないじゃん。やっぱりメンテされてなくて今は無きWGなんでしょうか。他もさらっとググった感じではいまどきの情報をみつけることができませんでした。

さてちょいと話しの向きを変えて。Web業界では紙への印刷は今のところ軽視されている印象を受けます。電子書籍とかePubとか電子ブックとか電子データを紙フォーマットに変換することよりも、電子データ紙のフォーマットに似せて保存しようという向きですね。

それはいいんだけど、その向きに便乗して紙の業界の商流を電子媒体の世界にそのまま持ち込もうとするというビジネスの動き。これが個人的に気に食わない。それは紙(つーか出版)業界の思考停止だろ、新しい場所で仕事するなら新しいモデルを考えろやこの昼行灯が!と思うわけです。はっきり言ってePubとかそういう臭いがして気に入らないので仕事断ったりしてるわけです。

まあそのへんの趣向はおいといて、Webで印刷は軽視されているんじゃないかという話。Paged MeidaとかCloud Printとか、だいぶ技術的にはキャッチアップされてきてるんだと思うんですが、例えばさっきのウェブフォントのオッサンが言うように「ホームページを印刷したら即出版物」というクオリティを実現するにはまだまだ足りないと思います。

技術的にはそうですねー、例えばWebページのメタ情報に印刷用のカラープロファイルがあれば、色ボケしないとか。SVGと組み合わせたらだいぶDTPに近いんじゃないでしょうか。他にもプリンタ側のスプール情報を取得したりというのもいい。他にも印刷の専門化から見るとWebに足りない機能はいっぱいあると思います。印刷屋さんとか印刷機メーカーさんとかはこの辺の研究をしてWeb標準にしたらいいんじゃないでしょうか。印刷関係はWeb&PrintでWebコンテンツ->紙という導線が太くなれば今後も商売安泰なんじゃないの?自分らでペーパーレスとか言って方向転換を模索するより儲かるかも。とも思えます。

日本なんか以前紙の力が強い国だから研究するにはいいフィールドだと思うんですけどね。日本の印刷関係さんはWebをどう捉えているんでしょうか?気になる所ではあります。

オチはないけど、今日はこのへんで。

modern.ie にOldIEに対するMSの気合を垣間見る

先日公開された modern.ie というMSのWebサイト。WebサイトをスキャンしてIEで適切に表示されるかをチェックする検証ツールやBrowserStackが3ヶ月無料で使えたりとWeb制作上で「IEだと動かない」という言葉をなくそうというキャンペーンですね。

たくさんのニュースサイトで紹介されているが、意外にさらっとしていて中身に触れられていないので少し。つい先日おんなじことをFacebookに書いたんだけどもう一回書いとこうと思う。

ボクがmodern.ieですごいと思ったのは、BrowserStackのほうじゃなくてOldIEの仮想イメージを豊富に提供してたほう。どちらもCross-browser testing simplifiedのページで、BrowserStackはHosted virtualization、仮想イメージのほうはLocal virtualizationとして提供されている。

仮想イメージは多数の種類が提供されていて、Windowsだけでなく、Mac、Linuxの仮想ホストでも使えるようになっています。つまりメジャーなすべてのOS上でIEを動かすことができるということだ。MS公式でLinux上でIEなんてWindowsの歴史上初めてなんじゃないだろうか。Windows用はHyper-V, VirtualPC, VirtualBox, VMWare、Mac用はVirtualBox, VMWareLinux用はVirtualBoxのイメージが提供されている。

これ以前にもOlidIEの仮想イメージは提供されていた。Internet Explorer Application Compatibility VPC Image がそれ。Microsoft VirtualPC専用のイメージでボクはWindows7までこれを使ってIE対応を検証していた。仮想だからちょっと動作は重いけどタダなのはありがたい。ひとつのPCで複数のIEをあげられるのもいい。

しかし、Windows8にしてから状況が変わった。VirtualPCはWindows8上では使えない。Windows8からはHyper-Vが標準装備されたからVirtualPCお役御免だよねということらしい。いやそれはそうだけど、OldIEのイメージはVirtualPCのしかないんだよね。せっかく全バージョンのIEイメージ入れても余裕があるようにHDD 1TBもあるノートPC買ったのにギャース!となったわけです。

で、以前開催されて超イケてた大阪の8nightsで質問のときに「Hyper-V用のイメージ出してくれ!」と叫んだのでした。いみじくもMSの方に本社に問い合わせてみます。と言ってくださってありがたい気持ちになったもんです。

こうして溜飲は下げたものの、Windowsマシンを8にアップグレードしてしまったのでIE7, 8, 9の検証が一切できなくなった。これにはけっこう困ってパートナーの会社さんに行った時に残してあるIE7を見つけては「ちょっとみして」と言って自分の制作物をチェックしたりしてました。そんな感じだったので今回たくさんのイメージが提供されたのはとても贅沢に思えるわけ。

とりあえずVMWare Playerをインストール済みだったのでVMWare用イメージを全部落として立ち上げてみた。VPCのときより壁紙とかがそれっぽくなっててちょっと良い感じになってます。Windows8的にはHyper-Vかなーと思ったんだけど、Hyper-VをオンにするとVMWareの仮想ネットワークと変に競合するみたいで、回避するのめんどうなので今んとこ切ってます。

こうして無事我が家のOldIE検証環境復活。まあ最近はIE9以降はいらんのだけど、あると気持ち的に安心みたいな。

しかし過去の遺物に対してのケアにこんなにコストかけてるMSという会社は偉いなと思う。Kinectみたいな先進的なこともやりつつ古いもののケアも忘れない。なかなかできるこっちゃないと思います。

IEも他のブラウザみたいにオートアップデートかけちゃえばいいのに。でもそうすると制作、運用側でWebサイトのアップデートのコストが増加するケースが出てくる。「IEでは動かない」サイトもあるのだけど「IE◯でしか動かない」サイトも非常に多くあるわけだ。それらを簡単に見切るのは果たして是なのか?この点をMSは慎重に考えているように思えるのです。

IT業界では一見利益にならない福利厚生的なことにコストをかけてる会社はカッコイイという評価を得られやすい。オープンソースとか勉強会とか。このOldIEに対するケアもボクには同じまったく儲けにならないことに見えます。それにここまで気合を入れるMS。まーカッコイイですね!ほんと最近やることがカッコイイよMS。

さてビールでも飲んで寝るか。

ブログをはじめ(再開)しました。

ここ2, 3日、なんとなーくブログを書こうかなあ。という気になってまして。
まあぼんやり思ってても仕方ないなあということで、書き始めることにしました。

実は以前ブログを書いてまして、当時ハマってた玄箱のことやらなんやらを思いつくままに書いていたわけですが、飽きっぽい性分も手伝ってそのうち書かなくなってました。もともとマメなこと苦手だったりするんですよねw

しかし最近になってHTML5を始めとするWeb技術のこととか、IT関係のニュースとかに物申したい機会も多くなってきて、まあそういうときはTwitterやらFacebookやらでブツブツ言ってたわけですが、短文では物足りないしのでダラダラ長文を垂れ流したいことも出てきたり、たまーにはきっちりまとめて置いておきたいなと思うようになったわけです。

そんなモチベーションなのでみなさんに文章を公開してお役に立とう!なんて気はほとんどなく、自分の書きたい欲の発散に使おうと思って。そんな感じのはどこのブログで書いたら一番いいのかしらねーと思って探した結果、はてなさんで書かせて頂こうと思って先ほど登録させていただいた次第です。

なんか技術屋の人ってはてなで書いているイメージあるし、京都だし。そんな程度の選択なんですが。

ま、先述のとおり飽きっぽいのでいつまで続くかわかりません。前みたいにやる気が失せて突然終了大いにあり得ます。基本書きたいときに書きます。もし気になることがあったらコメントでもしてやってください。ほめられたら喜んで、disられたらヘコみます。

そんな感じで、偶然にも以前のブログの最終投稿日付をみると、ちょうど2年ぶりのブログ再開となりました。よろしくお願いします。